BONO

スタンス

自分の火を灯そう


余白に火を灯す

デザインの勉強を始めると、就職するには何が必要か?現場で役に立つには何が必要か?という思考が重要視されがちだと思います。もちろん、他者に対して貢献するために意識することは大切で、否定する部分はなくむしろ賛同します。
ただ、あまりにも効率を重視することによる非効率さを僕自身が感じてきたので、この文章では好奇心を育てることが大切な話をします。そのために誰にも干渉されない余白を持つと良いと考えていまして、その余白としてポートフォリオサイトなど自分の好奇心を自由に表明できると良いという話をします。

好奇心を育てる

デザイナーはビジネスマンの側面を持つクリエイターです。”こうあるべき”という無機質な考えでは出てこない、人の感情に寄り添ったアイデアを具体化することが得意なキャラクターだと考えています。
そのためにまずは自分の心が動く体験を多くすることがよくデザインを使っていく秘訣なのではないかと考えています。

そのために好奇心を育てましょう。
デザインやキャリアに関係ないけど、なんか自分が好きになってしまうもの、もしくは気になって調べてしまうもの、執着してしまうものを探しましょう。もしあるのであればそれを大事にしましょう。それがあなただけのSNSで1万以上のインプレッションがつかない、貴重なインスピレーションになります。

その好奇心を誰にも見られないかもしれないけど形にする場所、余白があるといいと思います。
その意味で自分のサイトを持つのはとても良いと思います。サイトじゃなくてもいいです。自分の部屋でもブログサイトでも、何でもOKです。

気になったUIを分析してみる、好きな映画のことを考えて文章を書いてみる。なんでも良いです。
気になったことを文字やビジュアルで形にして”自分で掘っていく”好奇心がとても大事だと思います。

試作品や未完成のアウトプットや、自分が気になってしまう社会の仕組みでも、
積極的に公開することで、好奇心を育てることができるんじゃないかと思っています。

これを書いているとき、僕自身はまでそのようなサイトを作れていません。なのでこれは僕自身が大事にしていきたいことでもあります。なので、自分の部屋の写真を貼っておきます。ガンプラと楽器をいつでも置いておくようにしました。

好奇心がデザインにつながってる話

僕の話をすると中学時代に楽器をやっていました。そのときに出会ったのがL'arc~en~Cielです。
もう全てのアルバム曲をカラオケで歌えるぐらいには聞き込みました。
ベースをやっていたので主要曲のコピーもやっていました。

ただ、よく分からない人からすると「あ〜ちょっとカッコつけたビジュアル系バンドか」と思うはずです。僕も大学に入ってからはそう思うようになっていました。まわりに言うのが恥ずかしかった。そして次第に聞くなくなりました。

ただ大人になってふとYoutubeで”今何やってんやろ”と検索したときに聞いて今ではずっと聴いてます。
ラルクからは多くのことを学んでいます。1つ紹介すると彼らは全メンバーが曲を書きます。作曲者ごとに特徴がある多面性を持つバンドです。ベースはベースだけ弾く、ギターが曲を作る、などの固定概念はないんです。全員がプロデューサーで、アーティストで、演奏者なんですね。もうめちゃくちゃかっこいい。
このイメージはおそらくずっと影響を受けています。デザイナーだから作るだけしていればいい、となぜか最初から僕は思うことはなく、”何をどうするか?から考えたい”とずっと思っていました。多分この影響があったんじゃないかと思います。

あと彼らがPRの舵取りを自分たちでやり始めた話も好きです。
90年代めちゃくちゃ売れっ子だったんですが、PRを外部の会社に全て任せて曲作りに専念してたらしいんです。
ただライブチケットやCDの売れ行きが怪しくなった。そのタイミングで昔のように自分たちもそこに入ると言う決断して再起した。と言うエピソードがあります。今はどれぐらいやっているかわかりませんが、ライブ演出に入っているドキュメンタリーがあったりします。
価値提供者側がしっかりと認知の部分までデザインして、ユーザーに届けていく話と何も変わりません。アーティストと呼ばれる人たちでさえユーザーに向かって動いてるんですね。

みたいな感じです笑
僕はかなりこういう話に刺激を受けるタイプです。
なにもアーティスティックなことじゃなくていいです。掃除でもお風呂でもすべての部分にインスピレーションはあると思います。自分に正直に掘り下げることがAIがガチで出てきたこの世の中的にも人間を介す意味になってくると思っています。

効率より好奇心

好奇心はインスピレーションとつながり、活力を生み出します。
自分が求められる役割の基礎を土台として持ちつつ、その土台の上に好奇心を載せていくことで、自分なりのキャリアやデザインができ始めるんじゃないかと思います。

僕がWeb業界に入ったときからスタートアップに興味を持っていました。時代的に流行っていたのがきっかけです。なので、”ゼロからどうやってサービスを作るのか?”、”リーンスタートアップという手法が話題になっている”とアンテナがいわゆる”デザイン”以外にも広がりました。
その影響もあってか、職人的なデザインをするレベルは高くないですが一通りデザイナーに求められる土台を鍛えつつ、サービスを立ち上げて運営するために必要な経験と知識は身についていると考えています。言い方悪く言えば広く浅く、よく言えばどんな組織でもサービス伸ばすためにやるべきことを考えて実行することができると思っています。

これは入った時代もありますが自分の興味がたまたまそうだったし、それをカッコいいと思っている時期があったからだと考えています。とにかく、興味を持ってある程度探求することができました。

ここで言いたいのは、よくわからないけどネット的にこれが大事だと言われているからそれをやる。という思考ではなく、自分が興味があるもの、仕事で直面していて解消したいと強く思っていることなど、自分のアンテナに引っ掛かるものを深く掘り下げていくことが大事なんじゃないかという主張です。

デザイン以外の話でいうと、音楽が僕は好きなんですがデザイナーになりたてのころイケてる海外の最新音楽を伝えるサイトにDMしてデザインに携わらせてもらったりしていました。その代表の方(当時、Sミュージック)と2週間オースティンのSXSWというフェスに参加したこともあります。今考えると本当に謎です。
そのあと知り合った渋谷にライブハウスを構える事業にも少しだけ関わらせてもらって、インディーアーティストのマネタイズについて考える機会も持てました。そこで出会ったBREIMENというバンドは今でもよく聴いています。

結局経験だと思っているのですが、自分の好奇心にたいしてデザインを使ってアイデアをクリエイションしていく。
そういう人生体験がデザイナー的にも個人としても、振り返ると良い経験になるのかなと思っています。
なので、変にロボットみたいに効率厨になりすぎるのではなく、自分の好奇心の火を大事にして育てることが結果キャリアも開くと考えています。